出会いは密室で[完]




だめだめっ、
あいつのペースに巻き込まれちゃ。



「もぉ、こうぁっ、怖くないから」


うわぁ...
思いきり噛んでしまった…。


「ふーん。じゃあおやす...」

「ちょっと待って。」

「なんだよ」

さっきと同じように
机の上で寝ようとしている


桐野くんを引きとめた。


ちょっと待って

は自分に言いたい。


何を言おうとしてるのあたしは。



「あ、の...。そこじゃ、寒いんじゃない?」

「全然。」

「こっちのがぜぇったい、暖かいよぉ…?」

「つまり、一緒に寝ろと?」

コクン。
あたしは首を縦に動かした。



桐野くんは頭を掻きながら
欠伸を済ませて「しゃーねーなぁ」と言って、


あたしの元に来た。





< 21 / 367 >

この作品をシェア

pagetop