出会いは密室で[完]
だめだめっ、
あいつのペースに巻き込まれちゃ。
「もぉ、こうぁっ、怖くないから」
うわぁ...
思いきり噛んでしまった…。
「ふーん。じゃあおやす...」
「ちょっと待って。」
「なんだよ」
さっきと同じように
机の上で寝ようとしている
桐野くんを引きとめた。
ちょっと待って
は自分に言いたい。
何を言おうとしてるのあたしは。
「あ、の...。そこじゃ、寒いんじゃない?」
「全然。」
「こっちのがぜぇったい、暖かいよぉ…?」
「つまり、一緒に寝ろと?」
コクン。
あたしは首を縦に動かした。
桐野くんは頭を掻きながら
欠伸を済ませて「しゃーねーなぁ」と言って、
あたしの元に来た。