出会いは密室で[完]
ま、まさか…。
あたしがこんな
顔だけいい男に緊張なんて…。
違う――――――
顔だけじゃ...。
あたしは羽織っているジャージに
そっと視線を落とした。
「そういえば、さ。」
「え?...」
隣にいる桐野くんが
小さな声であたしに問いかけた。
「なんでここに居たの?」
「あぁ。テスト勉強してたんだ」
「けど、いつもはいねーよな?」
「うん...。今日はたまたま...。」
ってあれ?
なんで桐野くん、
あたしがいつもいないってこと
知ってるんだろう...。
あ、そういえば
ここに閉じ込められた時も
『またかよ』
とか言ってたし...。
もしかして桐野くん...