出会いは密室で[完]
え……。
「若干うれしかった。サンキューな」
「み、なみ...?」
「それだけ。」
そして
あたしから離れて
視線を合わせることなく
後ろを向いた。
その瞬間、
あたしは自然と
笑顔がこぼれていた。
「笑うなバカ」
「やっぱり南は、あたしのこと大好きなんだねぇ」
「は?」
「ちょっと元気出たよ。サンキュッみーなみっ」
あたしは
子供のころのように
後ろから南の首に
腕を巻きつけて抱きついた。