出会いは密室で[完]




桐野くんは

とくに驚きもせず



表情も変えず


その場に立っていた。




「気付いてたんだね……」


「うん。」



うそっ...。


桐野くん、
冴美ちゃんの気持ち知ってたの...?




「...早く振ってよ」



冴美ちゃんは目の奥をうるうるさせて

あたしをビックリさせる言葉を言った。



冴美ちゃんが
桐野くんだけに見せる


女の子の顔に


あたしまで見惚れてしまった。






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