出会いは密室で[完]
「へ...?」
ドクン――――――――――
『いるよ』
そのフレーズが、
あたしの心を貫いた。
「や、やっぱりいるんだぁ...」
ダメだ。
全然、動揺ごまかせてないし…。
て……。
なんで動揺してんだあたし...。
「つーかさぁ...」
「え?...」
まだ落ち着かない心臓を抑えて
声を出した。
「もう限界…。肩かして...」
気付けば
返事をする前に、
あたしの肩には桐野くんの頭が
ストンと置かれていた。
「ほぇ?!」
ななななな…。
なんだこの不意打ちっ…。
「やべー…。あんたいい匂いだな」