出会いは密室で[完]
やっぱり...
「寝てるし。」
なんだよ。
自分ばっかり呑気に寝て...。
普通男子が肩を貸す方でしょ…。
なんて思いながらも、
彼の体温を肩で感じながら、
心臓がドキドキいっている。
あたしだけ。
きっと
あたしだけが
今こんなにドキドキしている。
「あーあ......。失恋早すぎだよ」
この短時間で、
勝手に恋をしてしまった。
でも、彼女持ちの人を
好きなままでいるのはいけない。
だから、もう終わり。
短すぎて、儚い恋―――――――――
そんな風に思う自分が
おかしくて
静かに笑った後、
彼の頭に
自分の頭を少し触れさせた。
「バカみたい......。」
ごめんなさい。彼女さん。
ちょっとだけ、
今だけでいいから、
この人の隣に居させてね...。
そして
あたしはそのまま
眠りについた。