出会いは密室で[完]
▼謎の美少女
ざわざわざわ...。
食堂前の掲示板に、
たくさんの人だかり…。
その中にあたしと茉那もいます。
「あっ、あったあった!」
人ごみの中、
あたしより背の高い茉那が
背伸びをして叫んだ。
「マジ?何位あたし」
「優科2位だってー。惜しかったねぇ」
ガクン。
真奈の一言で
あたしは肩を落とした。
今あたしたちは、
期末テストの順位を見ているところ。
『1位とったら、カラオケ代おごってあげるよッ』
という、
茉那との約束を胸に秘めて
一生懸命勉強したけど、
1位にはなれなかったみたい......。
「1位って...誰よ一体…」
人ごみを押しのけて、
見事首位の座を獲得した
あたしのライバルといえる相手の名前を探した。