出会いは密室で[完]
「ほんっとぉ~~に、なんもなかったの?」
柱を背もたれにして
寄りかかるあたしの顔を
ぬーーっと覗いてくる茉那。
「あ...当たり前でしょっ」
あたしは
視線をそらして応えた。
「絶対図星でしょぉ~」
初めから諦めてたけど...。
やっぱり茉那には隠し通せない。
そう思ったあたしは、
すべてを白状することに決めた。
はぁぁ…。
失恋したことなんて
わざわざ話したくないんだけどなぁ。
憂欝な気分になりながらも、
話す準備を整えた。
「...実はね―――――――」
鮮明に覚えている
あの日の出来事を1から10まで
話していった。