出会いは密室で[完]
あー…。
なるほど、そうきたか。
目をぱちくりさせて
いかにも楽しんでいる茉那。
「好きな人...ってゆうか、好き『だった』人なんだけどー…」
「はいはい。で、誰?」
茉那はいかにも
適当な相槌を打った。
そんなに聞きたいか…。
「桐...。学年首位の人。」
「げ。マジ?」
「マジ。」
桐野遥人くん。
と言おうと思ったけど、
止めた理由はよくわかんないけど
なんか
その名前を出そうとするだけでも
自分の中の心臓が
ドクドクいうのが分かった。