出会いは密室で[完]
これじゃあ
ただの未練がましい女じゃんあたし...。
「それって、桐野遥人だよね?」
「う、うん」
なんで茉那が
知ってるんだろうと思ったけど、
その理由はすぐに判明した。
「桐野って、超イケメンで騒がれてるんだよ?!」
「えっ、そうだったの...?」
「今じゃあ学校中のアイドルだよっ!」
アイドル…って...。
んな大げさなぁ...。
まぁ確かに、
絶対万人受けする顔だもんなぁ。
それに...優しい、し。
「優科ったら...とんでもないやつ好きになっちまったねぇ」
「だ、だからぁ、今は好きじゃないって!」
背もたれにしていた柱から
背中を離してしまうほど、
あたしはムキになっていた。