出会いは密室で[完]
「違うって...なにが?」
一応会話は成り立ってるけど、
この人
確実に本読んでるよね...。
「特待生だもん、あたし」
「へぇ。で、教師からの好感度をさげたくない、と。」
「そんなんじゃないっ」
思わず向きになって
立ちあがってしまった。
「ご...めんなさい......。」
「...どうした?」
彼はあたしの顔を
横からそっと覗いた。
その彼の顔を見た瞬間、
溜まっていたものすべてが
涙となってこぼれ落ちていった。