出会いは密室で[完]
―――――――――…。
何分間
あたしは泣いていたんだろう。
今まで誰にも
話したことのないことを話して、
本当の想いが
涙となって溢れ出ていた。
「ごめん...制服濡れちゃったね…」
「ほんと。迷惑な奴」
「なっ...」
あたしの怒る顔を見て、
何回目だろう。
桐野くんが爆笑しだした。
その時に
抱きしめられていた手が
スッ...と離れて
あたしは...
悲しいと思ってしまった。
彼の偽りのない笑顔を見て
鼓動が高まった。
やっぱり...
この人が好き...。
あたしは
もう一度、
あなたに恋をした。