出会いは密室で[完]
▼衝動KISS
あれから、
桐野くんとは
微妙な距離を保ちながら
あたしは夏休みを迎えて、
今日は茉那と
学校の夏期講習に来ている。
「あっつ~…クーラー効いてないの?」
「ほんと...暑いねー…」
「てゆーか、皆ほとんど来てないじゃん」
窓際の席に座り、
下敷きで首元を仰ぎながら
茉那はほぼ空っぽの教室を見渡した。
「だねー…サボり?」
「そうみたい。うちらもサボる?」
「え、それは...」
「うそうそ。んなことしたら、優科の評定下がっちゃうもんね」
そう。
特待生だから
真面目ちゃんでいなければならない。