出会いは密室で[完]
海とか...遊園地とか...
行きたいんだけどなぁ...。
そんなお金もないし。
「そーだ茉那。」
「んー?」
「いいバイト...ない?」
「バイトかぁ...それなら……」
茉那がせっかく
教えてくれようとしたのに、
やなタイミングで
先生が教室に入ってきた。
「始めるぞー」
「ごめんっ、あとでね」
「うん」
蝉の鳴き声が響く
暑苦しい教室の中で
あたしたちは
気が狂いそうなほどの計算問題を解かされた。