出会いは密室で[完]




あたし、


この人を越すことは
たぶん一生ないんだと思った。


「わかんないけど...大丈夫。1人で出来るから...」


そう言って
帰る準備をしようと


鞄に入れようとしていた
筆箱に手を伸ばした瞬間、



その手首は掴まれた。




「...えっ…?」


トクン...


掴んだのは
もちろん桐野くんで……。



「わかんねんだろ?」


「う...うん。でもっ...」


「俺が教える。」




こうして

あたしと彼の
2人だけの補講が始まった。





< 86 / 367 >

この作品をシェア

pagetop