神聖な羽
「ゆのー」
180㎝を悠に超す身長に
引き締まった体つき、
なのに甘い顔立ちに
似合う明るめの茶髪。
モテないわけがない。
「鈴くん、どうしたの」
妹の癒羽ですら、目を見つめられると
赤面せずにはいられない。
「ばか。今日から委員会だろ?
寮の説明もあるだろうし、
サボれば結構ヤバイぞ」
うるさく騒ぐ女達を気にもとめずに、
踵を返して先に行こうとする。
「鈴くんっ、待ってよ」
急いで後を付いて行くと、
片手が伸びてきた。
「??」
「貸せ、鞄。重いだろ?」
「いいよ、」
「だめ。ただでさえ歩くの遅ぇんだから」