LOVE TASTE
「イタたぁ…」




体中が痛んで上手く力が入らない





「大丈夫か?」



さっきの男がわたしの前にしゃがみ込んだ



ぱっと顔を上げるとさっきよりもハッキリと見える綺麗な顔立ち








「おいっ」





「あっ…はい!!ありがとうございます!!」




いつの間にか見とれてた…





「そうか」




そう言うと男はわたしの腕を強く引いて起こしてくれた






安心からか、無意識のうちに涙が溢れ

今頃になって足が震え出した






「どうした?」





「あっ…いえ…なんでも」




目の前で涙を流し


震える小柄な女





捨てられた子猫を見ているような気持ちなる









面倒事は大嫌いだ




なのにほっとけない






なんなんだコイツ…
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