LOVE TASTE
今日の放課後もまた駅前へと向かう
いつもと違うのは美久も一緒に来てくれたこと
「どんな人っ?特徴教えて」
「うーん…背が高くて茶髪でとにかく綺麗な顔!!」
「…おおざっぱすぎ」
「えへへっ…ごめん」
キョロキョロと二人で辺りを見渡す
駅、カフェ、そしてゲームセンターの前…
「居ないわねぇ」
「うーん…」
「ゲーセン入ってみる?」
「うん」
その時美久の足がピタリと止まった
「ん?」
それに気づき振りかえると美久は目を見開き固まっている
「美久?」
「…」
恐る恐る美久の視線をたどる…
「っ!」
そこには…あの日
あの日に見た美久の彼氏とあの女の人
「元也…?」
美久のその声に男も美久を見た
「美久!?」
男のその声と同時に美久は逃げるように走りだした