LOVE TASTE
「蓮さん…会いたかったよぉ」






わたしは蓮さんの胸へ飛び込んだ






「…は?」





そう言いながらも抱きしめてくれる優しい腕






蓮さんの温もり、優しい香り



そのすべてが愛おしくて胸に頬を擦り寄た





「ずっと探してた…会いたかったの」




「…」




「あの日から、蓮さんに会った日から忘れられなかった」




「…」


返事はない



だけどぎゅっと強くわたしを抱きしめる蓮さんの腕





蓮さん…









「"大好きです"」












静かな公園に響く雪の声





自分の耳を疑った







「…なんで?」





「へっ?」



潤んだ大きな瞳を俺に向ける雪





「なんで?

俺とあんた…まだ会ったばっかじゃん」






「運命を感じたんです

蓮さんに…」





「…」





好き?運命?

意味が分からない



俺の周りには軽々しくそんなこと言う女はたくさん居る



だけど雪は違う




まっすぐ俺を見る瞳





俺だけを見る瞳



遊びなんかじゃない…
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