LOVE TASTE
学校の噂
わたしは勢いよく教室のドアを開けた
そして席に座っている美久に飛びついた
「美久ー!!おっはよ!!」
「雪っ!?何?どうしたの?」
美久は少しだけ後ろを振り返った
「あのね!!昨日ね…
蓮さんに会えたの!!」
「はっ!?」
美久の目が点になった
「昨日ね……」
わたしは昨日の夢のような出来事を美久にすべて話した
蓮さんに会えたこと
思いを伝えたこと
メアドを聞けたこと
家まで送ってくれたこと
「幸せだったなぁ〜」
蓮さんの温もり
今も忘れられない
「……」
わたしが話し終えても美久は何も言わなかった
下を向いたままずっと黙り込んでいる
「美久…?」
不安になり恐る恐る美久を覗き込んだ
「ごめんね…」
「え!!?」
思いがけなかった美久の言葉
「昨日、迷惑かけてほんとごめん…つらい思いもさせちゃって」
「迷惑なんて思ってないよ?」
雪はオロオロとあたしを見つめている