LOVE TASTE
「なんなら紹介しようか?
合コン開いてもいいけど」



美久はそういいながらピコピコと携帯をいじりはじめた





「それはいいや」





「なんでよ〜いっつもそんな強がっちゃってさ〜」




「だって紹介とか合コンってロマンチックじゃないんだもん」



「はぁ」



美久はそう真剣な顔で雪に訴えられ思わずため息が漏れた




「そんなんじゃいつまでも独り身だよ?」




「ぅぅ…」


確かに…
美久の言ってることは正しい気がする



ロマンチックな夢を抱いているせいで今まで生きていて一度も恋をしたことがない






「でも、」



頭上からふってきた優しい美久の声


「?」




「ロマンチックな出会いも憧れるよねっ」





「うん…

美久…」




「なに?」





「大好き!!」




大きな目を細め無邪気に笑う雪



女のわたしから見てもかわいいと思う



なのに…もったいない




なんて思ってるけど言葉には出さない





「ちょっと、あたしに惚れないでよね?」





「えへへ〜」
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