チョコ色の放課後
真っ暗な部屋に響く俺のすすり泣き。
ベッドに置いてある直からもらった白いジャージを抱きしめた。
涙でにじむデジタル時計の文字。
もう新聞配達のバイクの音が聞こえる時間になっていた。
体が震えるような。
不安で、寂しくて、真っ暗な洞窟に一人取り残された気分になった。
直、お前は俺をまだ愛してるんだろ?
俺を愛してるから、身を引いたんだろ?
それは、わかってるんだ。
だけど、お前が言った『私には重すぎる』って言葉が、俺を苦しめる。
いつか、お前の心から俺が消える日が来る。
そんな気がした。
だから、毎日お前からもらった白いジャージとマフラーを身につけて、
少しでもお前の温もりを忘れないように、
過ごしていた。