チョコ色の放課後

俺は情けない男。


直からもらったチョコを全部食べることが出来なかった。



もう、一生もらえないかも知れない。


そう思うと、俺は最後のひとつを食べることが出来なかったんだ。





ラップに包み、冷凍室へ入れた。


情けない俺。





なるべく直の声を聞かないように授業をしていた。


だけど、そんなことは不可能で・・・



俺はどんなに騒がしい中でも直の声を聞き分けてしまっていた。





笑っている声を


聞くたびに、不思議な気持ちになった。




安心したような・・・


寂しいような・・・






俺は、直をこれからも好きでいる。


それだけは、許して欲しい。





直は、俺の為を思って別れた。


その気持ちを無駄にしないよう、俺は心の中でモヤモヤしていた過去の問題と

向き合う覚悟ができた。




お前の気持ちは無駄にしない。


だけど、俺はお前以外の人を愛すことはできない。



これから先、一緒にいたいと思うのは


直だけなんだ。




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