チョコ色の放課後


高校の教師になってから、毎年生徒からいくつかチョコをもらっていた。


男としては、バレンタインに女の子からチョコをもらえるってことは、とても嬉しいこと。


だけど、俺は教師。



俺に恋をした生徒は、俺を好きになって果たして幸せなのだろうか。

俺は、お返しをすることも、一人一人に感想を言うこともなく、もらったチョコを全部食べた。


おかげで、2月後半は俺の肌の調子は悪い。



生徒に恋愛感情を持ったことはないし、これからも持つことはないだろう。


だけど、生徒がかわいいし、大事だって思う気持ちは誰よりも大きいと思う。



だからこそ、彼女達が俺を好きになることで、辛い思いをするんじゃないか、と不安になる。


俺は、好きになってもらえるような素晴らしい男じゃない。


ただの、どこにでもいる体育教師。





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