チョコ色の放課後


傷付くこともなく、

誰かを失うかもしれない不安もない。


心から信じられるような相手にまだ俺は巡り合っていないだけなのか。


『愛』ってものが、永遠だとか、不滅だとか・・・

信じることができない俺。


俺は、ジャージのポケットからはみ出したチョコを鞄に入れる。

長い廊下を歩きながら、今日一日のみんなの笑顔を思い出す。


本命であれ、義理であれ・・・

このチョコは俺に贈られたもの。


一番欲しいはずの、俺のかわいい天使からのチョコはきっと一生もらうことはない。


チョコを一口・・・口に入れ、俺はバレンタインの一日を終えた。

枕元に置いたチョコが、寂しい俺の部屋に甘い香りを漂わせる。









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