好きになる理由。
「ハァッハァッ・・・やっとついた…。
みと!遅れてごめええええん!!」
あたしはインターホンを鳴らすことなんて忘れて、
勢いよくドアを開けた。
怒られるうううううううう!
そう思いながら。
ガチャッ
開けた瞬間、出てきたのは・・・。
「は~いっ!あ、ちひろちゃん!あああ~ごめんなさいねっ、
あの子寝坊しちゃって・・・。
まだ準備できてないみたいなのよ」
みとのママだった。
「あ、そうですかっ
大丈夫です。待ってます」
あたしは、とっさにそんな言葉を口に出していた。
あいかわらずみとのママって
キレイだなー。
って・・・ん?みと・・・。えええ!
寝坊って・・・。
ただでさえ、あたし遅れて来たのに・・・?!
チラッと近くの時計を覗く。
「えええええええええええええええええ!
もう8時になっちゃう!!」
間に合わなくなるじゃん!!
「あら?もうそんな時間なのねえ。
ごめんね~。今すぐ呼んでくるわ。
大地~~~」
あー…。だめだ。
この家族はのんびりすぎて!!!
結局、みんなが整列する中
頭を下げながら入学式に途中から参加するハメになった。