好きになる理由。
「本日はー・・・。」
きほは相変わらず淡々とした口調で挨拶をしはじめたけど、
俺はもちろんそれどころじゃなくて。
やべえ、笑いが収まんねえ・・・!
もう 無・・・理・・・「ぶはっ!」
シーーーーーーーーーン…
や・・・やっちまった・・・。
さっきよりも視線が俺に集まってきてるのは、気のせい…じゃねえよな・・・。
教壇の上から鋭い目つきで
俺を見てくるきほ。
今、「あとで覚えときなさいよ」
って目で合図された気が・・・。
やべえな、
アイツのことだから、たぶんきほの挨拶にウケたんだって勘違いしたんだろう。
そして、さっきよりも何十倍、何百倍もの
笑みを作りながら挨拶の続きをするきほ・・・こ…怖ぇ…
このあと、一方的に無視するきほに
何回も何回も頭を下げ続けたのは言うまでもない。