超短編 『夢』 3
ここにいても仕方がないので、とりあえず歩き始めた。

向こうの山の麓に続く道のようなものがあったので、それを辿ってみることにした。

あれ、気がつくとこの道アスファルトで舗装されている。

夢だからイイとしても、なんか変な感じだ。

草鞋で歩くアスファルト道路。

歩くたびに刺さった矢がぶつかり合って、カチカチと音を立てるので引き抜いた。

血が噴き出したが、夢だから痛くもないし、気にもならない。



しばらく歩いて行くと、わかれ道があった。


標識が立っている。

右 東京
左 江戸

なんだこりゃ。

東京も江戸も同じじゃないか。

時代が違うだけで。



でも、東京へ行こう。
東京なら土地勘もあるし、、、
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