正しい恋の始め方。
この事を知っているのは校内誰にも居ない。知っているのはきっとショップ店員ぐらいだ。お小遣いが貯まればぬいぐるみを買う。それがもう楽しみで仕方がない。



「今回はうさぎ……をお買い上げなんですね」
「はい、このふわふわ感が何とも………」



店員は何故かいつも同じ男の人だ。可愛い店に不釣り合いだなとかたまに思う。もしかしたら俗にいうオトメンというやつか……?



「ありがとうございました」


店内を出るとき、無駄に爽やかな笑顔を向けた彼には不覚にもキュンときた。………ってしっかりするのよ、結子。ぬいぐるみにキュンときたの間違えだ。


家へと向かいながら、あの店員の顔を思い浮かべてみた。
茶色がかった黒髪にすっとした鼻。肌は白くて、身長はきっと170以上。



ああ……美青年とはこういう人の事を言うのか。



何か一気にキュンときた理由が判明した気がする。まあ、結論から言うと











顔が整ってると何かと便利だ。
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