管理人C
「先輩の名前はなんと言うのですか?」


「ほお、うれしいこと聞いてくれるじゃねぇか。
名前をを聞かれたのは何年ぶりだか覚えていない。
いつもは管理人Aと呼ばれている。
ちなみにお前は管理人Cだ」


「ということは三人以上いるということですか?」


「察しがいいな。そういうことだ。
たしかFまでいるらしい。俺は古株だが
Bとしか会ったことが無いがな」


「地上では?」

「地上か……オレは佐藤と呼ばれていた。お前は?」


「私は、子御岳と呼ばれていました。
子供の頃ゴミ岳といじめられてたから、
正直嫌いです。佐藤さん」


「いいじゃないか、珍しい名前で。
だがここではもう意味が無い」


「どうしてです?」


「ここでは、だれも人の名前をおぼえようとしない。
例え身内であってもだ。
俺の名前も人前では呼ぶなよ。変人扱いされる」


「なぜ?」


「困惑するのも無理は無い。
オレも分からない。そうだからそうだと捉えろ」

「ええ……まかせてください」

「オレはもう行くが、他に何かあるか?」

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