藍色の砂
ボクを見て涙を流す咲妃さん。
この前とは打って変わって違う
態度に正直戸惑ってる。
だから連れ出す他思い付かなかった。
女の子の涙はよくわからない。
突然すぎるし、
どう扱っていいのかも。
こうして温かいミルクティーを
与えればいいだなんて
簡単な話じゃないことくらいは
理解してるけど。
とりあえずミルクティーを
両手で持たせた。
か細い声の『ありがとう』は
語尾が消えてる。
『ここのたこ焼き美味しいんだ。
ここで食べるけどいい?』
コクリと頷くのを見て、
袋を開けてたこ焼きを頬張った。
パクパク食べるボクを見て、
ほんの少し笑った気がした。
『咲妃さんも食べなよ。食べたら
楽になるから。』
『猫舌だから…。』
『猫舌~?仕方ないな~。』
爪楊枝で一口サイズにして
フゥフゥした。
『ハイ』って差し出す。
きっとコレが、よくカップルがする
『ハイ、あーん』ってやつだと思う。