藍色の砂



『この前は、おめでとうが言いたくて
…でも逢いに行かなきゃよかったね。
ずっと苦しかった。』



何度か流し込んだコーヒーは
空っぽになっていた。
握りしめたままジッと見つめてる。



『勝手だよね…今日も、もしかしたら
逢えるかなって…。逢いたいなって…。』



言いながらまた涙を流す
咲妃さん。



『逢っちゃったじゃん。どーすんだよ、
コレ。』



半分投げやりな、半分賭けた
ボクの淡い期待。



『逢えたらホッとして…泣くつもり
なんてなかったのに…ごめん。』



どうしてこうもキミは、
ボクをそんなに刺激するのか。
こんなことを聞けば、
しかもその相手が好きな人なら
尚更抱きしめたいのに。











< 123 / 201 >

この作品をシェア

pagetop