藍色の砂
『この前は、おめでとうが言いたくて
…でも逢いに行かなきゃよかったね。
ずっと苦しかった。』
何度か流し込んだコーヒーは
空っぽになっていた。
握りしめたままジッと見つめてる。
『勝手だよね…今日も、もしかしたら
逢えるかなって…。逢いたいなって…。』
言いながらまた涙を流す
咲妃さん。
『逢っちゃったじゃん。どーすんだよ、
コレ。』
半分投げやりな、半分賭けた
ボクの淡い期待。
『逢えたらホッとして…泣くつもり
なんてなかったのに…ごめん。』
どうしてこうもキミは、
ボクをそんなに刺激するのか。
こんなことを聞けば、
しかもその相手が好きな人なら
尚更抱きしめたいのに。