藍色の砂
『逢いたいなんて…簡単に言うなよ。』
その何百倍もボクは我慢してんだ。
シュンと俯くキミに投げかけた
最後の問い。
『兄貴と結婚するんだろ…?』
『……………。』
『だったら兄貴を見てやってよ。』
そんな顔するなよ。
自分殺して言ってんだよ?
仕方ない。
ボクは選ばれなかったんだから。
何かを言いかけて、再び
俯くキミを見て
少しだけ微笑んだ。
『ボクと居ると困った顔してる。
きっと原因はボクだろ?兄貴となら
ちゃんと笑いあってるのに。』
『ちが…っ、私は……』
『いいんだ。ボクにとっては忘れ
られないことだけど、咲妃さんは
忘れてくれていい。』
『え…?』