藍色の砂
『徐々に忘れて……ボクたちはいずれ
義姉弟になる。そうだろ…?』
言ってるそばからボクが
目をそらしてる。
その潤んだ瞳で見つめられる
のは慣れてないから。
せっかくの決意が曲がって
しまえば元も子もないから…。
『兄貴…ちゃんと咲妃さんのこと
想ってるよ。今度こそは信じて
あげて。』
クソ…!
涙がこみ上げて声が上擦った。
見られないように
顔を背けて立ち上がる。
『寒いから……帰り気をつけて。』
そう言い残し、ベンチから離れた。
かすれた声で『コウくん…』と呼ぶ
声も振り切った。
頬に伝う涙は拭えずにいる。
泣いていることがバレてしまうから。
ズンズンと早歩きして、
遠ざかるキミを背中で感じた。
引き裂かれる想いに
溢れる涙で視界がぼやけてく。
ボクはキミに、
小さくサヨナラを言った。