藍色の砂
スーパーの前を通って、
少し歩いた先に
マンションが建ち並ぶ。
そこの7階がボクの家。
両親は共働きで4人家族。
兄貴は就職と同時に家を出たけど。
特に何不自由ない暮らしだ。
スーパーを通り過ぎたあたりで
ボクは絆創膏を剥がして捨てた。
いや、何となく。
そしたら、次の瞬間。
『コウくん…?』
フワリとか細い声が耳に届いた。
声の方へ視線を向けると
ボクの鼓動はトクン…と波打った。
『兄貴の………』
……………彼女。
『よかった。人違いじゃなくて。』
とクスッと笑った。
足が竦んで動けないボク。
あの日と変わらないキミの笑顔。