藍色の砂



『陽に……気付かれたかも。』



『えっ!?』



思わず頭を起こして
かけてたガーゼがずり落ちた。



『あ、濡れちゃう』って
また寝かされる。
ボクの心臓はバクバクしてる
というのに、妙にキミは
落ち着いていて。



『だから最近逢えなかったんだ。
仕事終わっても迎えに来てたり
するから。あ、コレもう取っちゃ
おーか?』



コレとは、
ガーゼのことを指している。



『うん…。』



『だから…当分逢えないかも。』



『え…?』



視線が重なる。
すぐにキミはそらして
作業に戻る。



『どうしたらいいのか正直
わからない状態なの。ほぼ
毎日のように来るから…。』



『…………。』









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