藍色の砂
コンディショナーまで終わり、
イスが起こされた。
逢ってない間、
キミは平気な顔して
兄貴と逢って
抱かれたのか……?
頭の中で幾度とそう繰り返し、
黒い影が心を支配してく。
実際そうであっても、
ボクは怖くて聞けない。
キミが兄貴に抱かれている
ところなんて想像したくない。
ボクだけを見てほしい。
ボクだけを愛してほしい。
なんて想いは、
ボクだけなんだろうか。
キミはボクをどう見てる?
寂しくて逢いに来たボクを
どう見てるの…?
兄貴に抱かれながら、
どう感じたの?
ボクを思い出した?
どんな顔して
兄貴を呼ぶんだよ…。
考えたくない…。
『お任せですか?』
髪を乾かし終えて
ふいにキミは聞いてくる。
ハッと我に返り
『はい』と答えた。