藍色の砂
『色は?』
『奇抜な色以外なら何でも。』
『オッケー。』
指名したからと言っても
1から10まで付くということはない。
必ずアシスタントが付く。
アシスタントの子に細かく説明
しながら、両端に分かれて
カラーリングしていく。
その間、他愛もない
客と従業員らしい会話を
繰り広げ、
次の予約者が来店したので
キミは途中で抜けて行った。
交互に来ては色具合を
チェックしてアシスタントに
指示してる。
きっと後輩や仕事仲間からは
厚い信頼を得てるんだろうな。
周りを見てるとそう思う。
見る目が、何て言うか……
キミに対して「憧れ」を感じてる、
みたいな。
アシスタントのシャンプー後、
乾いた髪を見ると、
少し栗色がかった茶色だった。
『この色どう?新色なんだ』と
颯爽と現れたキミは、
アシスタントにお礼を言って
交代した。