藍色の砂
『…怒ってる?』
俯きながらボクの様子を窺う。
『どうして?』
『…喋んないから。』
『……怒ってるよ。』
『ごめん…。』
深く溜め息をついた後。
『どうしようもないことくらい
わかってる。それを承知の上で
今もこうして逢ってんだから…。
でも……限界だった。』
顔も見れない、
声も聴けない、
触れ合えない。
それがどんなに
ボクを苦しめたかなんて
キミにはわからない。
『ホントにごめんなさい…。
信じてもらえないだろうけど、
私も辛かったよ。コウくんに
逢いたかった…。』
大きな瞳を揺らしながら
ボクを見つめてる。
キミはズルい。
ほんの一瞬、一言で
心も理性も全部奪う。
不安で仕方なかった心が
徐々に燃え上がってく。