藍色の砂
ボクたちが歩いているのは
正門に繋がるメインストリート。
もちろん生徒で溢れかえってる。
そもそもボクがこんな行動に
出るのは有り得ない話。
でも、好きでもない相手に
つきまとわれている村上を
放っておけないのも事実。
『彼氏のフリすりゃいいんだろ?』
不思議そうにボクを見上げる村上を
その場で抱き寄せた。
手をバタバタさせて
テンパる村上に
『いいからジッとしてろ』
と言った。
きっとヤツは見てる。
真横を通り過ぎる生徒からは
ヒューと声があがる。
そんなの無視。
周りにどう思われようが
関係ない。
『昊~恥ずかしいよぅ…。』
思わずもれた村上の声で
解放してあげた。
強引に手を引っ張りまた歩く。
バカ。
ボクも恥ずかしいっつーの。
村上を守るためだろ。