藍色の砂
『これくらいしたら諦めつくだろ。』
『う、うん…。』
門を出てしばらく歩くと
パッと手を離した。
『こんな感じでいいの?』
『あ…うん。ありがとう。』
『報酬はいくら?』
『お金取るのっ!?』
プッと吹き出す。
『冗談だよ。何かあったら言って?
出来ることならするよ。』
前髪パッツンのあどけなかった顔。
泣きそうになったり
笑ったり、すぐ怒ったり。
色んな表情を見てきてるから
割とマジなSOSには敏感なんだ。
立ち止まる村上に気付いて
振り返ると、
今までに見たこともない
少し大人びた表情で。
『フリは嫌だ…。』
『え…?』