藍色の砂
『バスケでボールでも当てられた?』
うっ……!
いきなり図星かよ。
『家、近いの?』と話を
そらしてみた。
『え?隣町だよ。今日は仕事が休みで
ここまで。』
『仕事?兄貴と同じ職場じゃ
ないんだ?』
『私、こう見えて美容師ですから。』
キョトンとした顔がまた笑顔になって
柄にもなく胸がキュンとした。
それと同時に思い出した。
そういや兄貴のヤツ…
やたら髪切ってた時期あった!
『どうせ兄貴がしつこく迫ったんだろ?』
半分呆れて言った。
当然ながら出逢いも想像がつく。
『いや…あの…』
急にオドオドして、見る見るうちに
真っ赤になっていく咲妃さん。