藍色の砂
泣きそうな顔でボクを見てる。
『そこまで言うなら本物になってよ…』
ここで頭を撫でるのは
ちょっとズルイかな…。
『…ボクの気持ち、わかってんだろ?』
『…わかんない。優しくしたり、
突き放したり。正直昊の気持ちが
わかんないよ。』
これ以上、視線を合わせるのは
困難だった。
『ボクは………』
咲妃さんしか………
『またフラれるの…?』
ゆっくりと視線を戻す。
今にもこぼれ落ちそうな涙を
目にいっぱいためて、
あの頃より少し大人になった
村上に……
ボクはまた、あのセリフを
言わせてしまうのか。
『もうこれで何回目?5回目だよ?
いい加減にしてよね。』
『ごめん…。』