藍色の砂
『ごめん…こんな言い方卑怯だって
わかってるよ。でもそばに居てほし
いんだ。もしそれが無理なら、明日
から来ないでくれ。辛いんだよ…。』
『陽…ごめんね。バカな私でごめん。
今頃気付いたの…私の方こそ…そば
に居てほしいよ。』
『ホント?咲妃…ホントに?』
『うん…。
だから早く良くなってね。』
『ありがとう…許してくれて
ありがとう。』
『陽…私こそありがとう。それと…』
『え?』
『ここに……赤ちゃんいるよ。
陽の子供だよ。』
『え…?ホントに!?』
『うん…。』
『ごめん…あの時のだよな。』
『ううん、その前から出来てた
みたい。』
『え…?咲妃。俺頑張って復帰するから
退院したら結婚しよう。』
きっと咲妃さんは
泣きながら頷いたんだと思う。
中に入るのは止めて、
ボクは来た道を引き返した。