藍色の砂
普通のカルピスを指差した村上に
ウインクしてグラスに注いでいく。
『あの~咲妃?無視だけはしないで
ください。』
咲妃さんはかなりのカカア天下だ。
二人して吹き出して笑った。
外では蝉がうなるほど鳴いている。
また蒸し暑い夏を、
こうしてキミと過ごしている。
『昊からも何とか言ってくれよ。』
『え?』
『ウエディングドレス姿、見たい
だろ??』
『は?』
グラスの中の氷がカランと鳴った。
一瞬止まった空気を変えたのは
咲妃さん本人で。
『だーかーら、痩せたらねって
言ってんじゃん。出産太りハンパ
ないんだからね!』
『全然変わんないって~。』
『ダメダメ!』
いつも二人は些細なことで
言い合ったりしてるけど
なんだかんだで仲はいいみたい。