藍色の砂



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白いベールをまとい、
ゆっくりとキミは
バージンロードを歩く。



途中でボクと目が合って
小さく微笑み合う。



誰よりも輝いているキミは
みんなが見とれるほどだった。



ボクたちの卒業を前にして
結局先に挙式を挙げた兄貴たち。
(あの野郎…)



控え室で初めて
ドレスを着たキミを見た時。
正直そこには、
ボクの愛した河島咲妃ではなく、
一人の母親となった
谷原咲妃が凛として佇んでいた。



ボクに気付いたキミは振り返り
立ち上がった。



ほんの数秒間、
ボクたちはあの頃に戻れた気がした。













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