藍色の砂
兄貴の彼女。
もはや何人目かは覚えていない。
どうせ相手は変わる。
そのたびに紹介したりされたりで
正直ウンザリしてた。
いい加減落ち着けよって。
兄貴は大学を卒業し、大手企業に
就職した。
どこでどう知り合ったのかは
わからないけど、
モテる兄貴にはすぐ彼女ができる。
女グセはハッキリ言って悪い。
その血を分けた兄弟だからって
同じような目で見られるのだけは
勘弁してほしい。
対照的にボクはおとなしく活発では
ない。
俗に言う、草食男子なんだろう。
彼女はいない。ずっと。
あ、でも童貞ではない。一応。
初めては中学の同級生と…。
だけど、あまりいい思い出ではない。
その、なんて言うか。
ボクは……
“ イく ” のが早いらしい。
それがキッカケで別れた淡い思い出
たよ。
思い出したくもない。