藍色の砂



チラッと兄貴の方を見ると
興奮してくれてるのがわかる。
その隣で拍手しながら笑顔を
向けてくれてる咲妃さん。



フッと笑顔を返すと
横から『お疲れさま』と
女子マネからタオルを
渡される。



『サンキュ。』
タオルを受け取ると
自然と足はキミの元へと
向かった。



隣に兄貴がいるから
変に怪しまれないで済むし。



『ちょっと昊…!』なんて
後ろから聞こえる女子マネの
声を振り払ってまで
ボクは動き出していた。



ここでボクの兄貴だという事実を
知った者もいるだろう。
そして、その隣に居るのは
まぎれもなく兄貴の恋人だと
いうことも。



『なかなか面白い試合だった。』



『コウくんカッコよかったよ!』



2人の言葉にニッコリ笑う。
もとい、咲妃さんの言葉に。
こんな試合でいいなら
いくらでも見せるのにな…
なんてね。



兄貴は来なくていーけど。










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