藍色の砂
たくさんの視線を浴びながら
帰ってく二人を見送る。
この後二人は………
本当に兄貴でいいのか……?
楽しそうに兄貴と話す
キミの後ろ姿。
つい見えなくなるまで
見つめてしまう。
そんなボクを見てる
女子マネ村上と目が合った。
すぐに目をそらして
ボクはまたコートに戻る。
一心不乱に汗をかいて
思考から二人を追い出した───。
俄然、親も咲妃さんを
気に入ったようだ。
夕食時にこれでもかっ!て
ほど聞かされる。
気遣いが出来るだの、
キレイだの、
兄貴には勿体ないだの。
『お嫁さんに来てくれたら
お母さん嬉しいわ』
って言葉に飲んでいた味噌汁を
吹き出しかけた。
『兄貴は?結婚するって?』
『そんな話は出なかったけど、
紹介なんて初めてだしね?』
満面の笑顔で言うなよ。
何気にヘコんでんだよボクは…。