藍色の砂
3. 偽り
あれから一度も
キミとは会っていない。
もうじき夏休みを迎える。
休み中も、もっぱら
練習といきたい所だが
受験も控えているから
そうはいかない。
学校が終わり、
部活のない日はぶらりと
本屋さんに参考書を買いに。
とはいえ、地元の本屋は
個人経営だから種類に
限りがある。
やっぱり隣町の駅前まで
行かないと揃ってないよな。
隣町……で働いてるって
言ってなかったっけ?
でも場所わかんないや。
いや、会えるかな?
でも駅前とは限らない。
待て待て、落ち着け。
ボクは咲妃さんに
会いに行くんじゃない。
あくまで、
参考書を買いに行くんだ。
ちょうど定期もあるし。
最寄り駅より一つ手前の駅で
ボクは電車から降りた。